森 孝時氏のコラム
第184回 「シンガポール!シンガポール!」
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今年2月のことですが、シンガポールから嬉しいニュースが届きました。ホッカイドウ競馬からシンガポールへと渡った高岡秀行調教師が、クランジ競馬場の芝1600mで行われたシンガポール・ターフクラブの重賞「コミッティーズプライズ(シンガポールG3)」を日本産馬、ダイヤモンドダストで制したのです。
ご存知の通り高岡調教師はホッカイドウ競馬の騎手として活躍後、1993年に調教師へ転身。10年間で355勝を挙げましたが、2003年1月に日本産馬18頭と共にシンガポールターフクラブへと移籍したことで話題となりました。初年度は6勝、2年目は11勝、昨年は17勝と着実に勝ち星を伸ばしていく中で、3年目の今年、念願のシンガポール重賞初勝利を飾ったわけです。
勝ったダイヤモンドダストは父:ライブリーワン、母:シンコウグレース、母の父:サクラユタカオーという血統の日本産馬で、日本での出走歴は無く、2004年5月のデビュー戦からシンガポールで走っています。これまでに2回の重賞2着があったのですが、シンガポールでの重賞制覇は日本産馬にとっても、日本人調教師にとっても初の快挙だったわけです。
その晴れ舞台となった、シンガポールのクランジ競馬場で、今週末の5月14日に行われるシンガポール国際航空カップ(国際GI・芝2,000m)にコスモバルクが挑戦するわけですが、コスモバルクを管理する田部調教師も「シンガポールには高岡調教師がいるから」と、心強い戦友の存在を頼りにしています。そのダイヤモンドダストもシンガポール国際航空カップに出走予定とのことで、このレースはやはり見逃せない一戦となりそうです。

さてそんな中、もう一つシンガポールから嬉しいニュースが飛び込んできました。2005年3月に廃止された宇都宮競馬に所属していた仁岸進調教師が、今年6月からシンガポールで開業すると、シンガポール・ターフクラブから発表されたのです。元々オセアニア、アイルランド、南アフリカといった国々からの調教師が多いシンガポール・ターフクラブで、2人目の日本人調教師誕生というのが今後どのような影響を及ぼすのか、気になるところです。
仁岸進調教師と言えば宇都宮競馬最後のレースとなった、とちぎ大章典の勝馬、フジエスミリオーネ(父:エイシンサンディ、母:ニシノフジエス、母の父:パレスダンサー)を管理していたことでも知られています。元々フジエスミリオーネは、ホッカイドウ競馬でデビューしています。初戦2着の後のフレッシュで勝ち上がると、3連勝でイノセントカップを制覇。果敢に挑戦したコスモス賞は8着でしたが、サンライズカップを勝って重賞2勝目をもぎ取ります。そして2003年の北海道2歳優駿5着の成績をもって、北関東の仁岸厩舎に移籍したのです。
そこからは北関東皐月賞、北関東ダービーを勝ち、交流重賞でこそ勝利を手にすることはありませんでしたが、秋に北関東菊花賞を制して北関東3冠を達成。翌年は4戦して春光賞と、とちぎ大章典の2つの北関東重賞を勝ちました。宇都宮競馬廃止後は川崎競馬で6戦し、今も高知競馬の別府厩舎所属馬として頑張っています。
ホッカイドウ競馬とシンガポール競馬、高岡秀行調教師と仁岸進調教師に田部和則調教師。ダイヤモンドダストとコスモバルク、そしてフジエスミリオーネ。点と線が複雑なリングになっているような気がします。さて、不思議な縁はどんな物語を作り出すのでしょうか?今週末のシンガポール国際航空カップに注目というところです。でも、この不思議な縁が何かミラクルな結果を引き起こす。そんな気がしてなりません。まずはコスモバルク、ダイヤモンドダスト、頑張れっ!そして田部先生に高岡先生、頑張れっ!もひとつ、仁岸先生、頑張れっ!

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